宅建業法の8種制限とは?8つの一覧と数字(2割・8日・2年・30日)

8種制限とは?
宅建業者が自ら売主となり、宅建業者ではない買主と売買するときにだけ適用される8つの制限です。宅地建物取引業法の第33条の2と、第37条の2から第43条までが該当します。買主も宅建業者のとき(業者間取引)は適用されません(法第78条第2項)。
8種制限の一覧表
| # | 制限 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自己の所有に属しない物件の売買契約の制限 | 他人の物件や未完成物件について、原則として売買契約(予約を含む)を結べない | 第33条の2 |
| 2 | クーリング・オフ | 事務所等以外の場所で申込み・契約をした買主は、書面で申込みの撤回や契約の解除ができる | 第37条の2 |
| 3 | 損害賠償額の予定等の制限 | 損害賠償の予定額と違約金は、合算して代金の2割まで(超えた部分が無効) | 第38条 |
| 4 | 手付の額の制限等 | 手付は代金の2割まで。性質を問わず解約手付として扱う | 第39条 |
| 5 | 契約不適合責任の特約の制限 | 通知期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効 | 第40条 |
| 6 | 手付金等の保全措置 | 一定額を超える手付金等は、保全措置を講じた後でなければ受け取れない | 第41条・第41条の2 |
| 7 | 割賦販売契約の解除等の制限 | 賦払金の支払が遅れても、30日以上の期間を定めて書面で催告しなければ解除できない | 第42条 |
| 8 | 所有権留保等の禁止 | 割賦販売で、原則として引渡しまでに登記などの義務を履行しなければならない | 第43条 |
どんなときに適用される?
次の2つをどちらも満たすときだけです。
- 宅建業者が自ら売主である(媒介や代理で関わるだけのときは適用されない)
- 買主が宅建業者でない(買主も宅建業者なら適用されない。法第78条第2項)
売主が宅建業者でない個人のときも適用されません。試験では「媒介した業者にも8種制限がかかる」という形の誤りがよく出ます。
クーリング・オフはいつまでできる?
次のどちらかに当たると、できなくなります(法第37条の2第1項)。
| できなくなる場合 | 内容 |
|---|---|
| 告知から8日の経過 | 申込みの撤回等ができる旨と方法を書面で告げられた日から起算して8日を経過したとき |
| 引渡しと代金全額 | 買主が物件の引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったとき |
ポイントは次の3つです。
- 撤回や解除は書面で行い、書面を発した時に効力が生じます(第37条の2第2項)
- 業者は損害賠償や違約金を請求できません。受け取った手付金などは速やかに返還します(第37条の2第1項・第3項)
- 買主に不利な特約は無効です(第37条の2第4項)
なお、事務所等で申込みをして事務所等以外で契約した買主は、クーリング・オフの対象から外れます。
数字で覚えるポイントは?
| 数字 | 何の数字か | 条文 |
|---|---|---|
| 2割 | 手付の上限/損害賠償の予定と違約金の合計の上限 | 第39条・第38条 |
| 8日 | クーリング・オフができる期間(書面で告げられた日から起算) | 第37条の2 |
| 2年 | 契約不適合責任の通知期間として定められる特約の下限(引渡しの日から) | 第40条 |
| 5%・1,000万円 | 未完成物件で保全措置が不要になる上限(かつ) | 第41条・施行令第3条の5 |
| 10%・1,000万円 | 完成物件で保全措置が不要になる上限(かつ) | 第41条の2・施行令第3条の5 |
| 30日以上 | 割賦販売で解除する前に必要な催告期間 | 第42条 |
| 3割 | 所有権留保の禁止で基準となる支払済みの割合 | 第43条 |
試験でよく狙われるポイントは?
- 「買主が宅建業者でも8種制限は適用される」→ 誤り。業者間の取引には適用されません(第78条第2項)
- 「媒介として関わる宅建業者にも8種制限が及ぶ」→ 誤り。自ら売主となる場合だけです
- 「クーリング・オフは口頭でもできる」→ 誤り。書面で行い、発した時に効力が生じます
- 「引渡しを受けていれば、代金を払っていなくてもクーリング・オフできない」→ 誤り。引渡しかつ代金全額の支払が必要です
- 「他人の物件でも、売主が宅建業者なら自由に売買契約を結べる」→ 誤り。取得する契約を結んでいるときなどに限られます(第33条の2)
- 「契約不適合責任の通知期間を引渡しから1年とする特約は有効」→ 誤り。2年以上でなければ買主に不利な特約として無効です(第40条)
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よくある質問
8種制限が適用されるのはどんなときですか?
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でないときだけです。業者間の取引には適用されません(宅地建物取引業法第78条第2項)。媒介や代理で関わるだけの業者にも適用されません。
クーリング・オフはいつまでできますか?
申込みの撤回等ができる旨と方法を書面で告げられた日から起算して8日を経過したとき、または物件の引渡しを受けて代金の全部を支払ったときに、できなくなります(法第37条の2第1項)。撤回・解除は書面で行い、書面を発した時に効力が生じます。
8種制限の8つは何ですか?
自己の所有に属しない物件の売買契約の制限(33条の2)、クーリング・オフ(37条の2)、損害賠償額の予定等の制限(38条)、手付の額の制限等(39条)、契約不適合責任の特約の制限(40条)、手付金等の保全措置(41条・41条の2)、割賦販売契約の解除等の制限(42条)、所有権留保等の禁止(43条)の8つです。